データセンター・サーバールームの空調電力を40~45%削減する
高効率型外気空調システム「AIR-NEXT



河村電器産業株式会社

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昨今 クラウド、仮想化などのトレンドからデータセンターの需要は拡大傾向にあります。
一方で環境税の見直し、東京都排出量規制、COP15など地球温暖化に対する話題が取りざたされる中、
膨大な電力を消費するデータセンターのCO2削減に大きく貢献できるシステム開発が待ち望まれております。
このような背景からデータセンター内の電力消費でもっとも比率の高いIT機器の冷却電力削減に着目し
高効率外気空調を開発しました。

河村電器はデータセンター内のラックの製造メーカで古くからラック内のIT機器の排熱効率化を取り組んできました。
ラスコは半導体設備内の精密空調のパイオニアメーカで空調制御、省エネの技術を有しています。
この2社の技術融合でデータセンター向けの高効率外気空調システムを実現させました。

今回のシステムの最大特徴はデータセンター内の年間冷房という特性を活かし冷たい外気を有効利用する点です。
日本の外気環境は寒暖の差が激しく、冬場には極端に湿度が低いなど従来は積極的に使用されていませんでした。
今回の開発においてデータセンター内での温度湿度の最適な制御を確立し、また単なる設備空調ではなく、
熱源(IT機器)に一番近いラックの排熱の効率化から全体設備空調まで一連のシステムとして開発し全体最適化を実現しました。

結果 従来比で40~45%の電力削減を可能としました。

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【ポイント1】
ホットアイル(排気通路)を囲い込み空調機とダクトを通じて直結することにより暖かい空気を逃がさずに空調機まで直接的に戻します。
そのため通常のリターン空気温度より高い状態で回収可能なため空調機内の動力(風量)削減が可能となり、さらには外気との温度差を少なくして外気利用期間を大幅に増やしました。


【ポイント2】
ホットアイル(排気通路)内の上部ダクトは各ラック単位でダンパを装備しホットアイル空間内の流量制御を可能としました。そのため各ラックの負荷容量に合わせてホットアイル空間内の流量を制御することで最大1ラック10KWクラスの負荷冷却にも対応も可能としました。


【ポイント3】
ダクト内に溜め込んだ熱は標準化された空調機内で外気の状態を監視して温湿度条件に合う外気が存在すれば最大限有効利用します。
ポイント1でも述べたとおり当社は排熱を高温の状態で回収します。
そのため東京の気象条件で実証試験、シミュレーションの結果 年間で約10ヶ月程度外気の有効利用が可能となる結果となりました。
また当然 東京より平均気温の低い地域では外気有効利用期間は増えて更なる効果が見込めます。
以上の特徴から従来比で年間40~45%電力削減(東京気象条件モデル)が実現しました。