報道発表
2008年10月17日
北海道グリーンエナジーデータセンター研究会
会長 津田 邦和
北海道GEDC研究会
北海道グリーンエナジーデータセンター研究会中間報告
貴社ますますご清栄のことと存じます。日頃は、「北海道グリーンエナジーデータセンター研究会」の活動にご支援を賜り、まことにありがとうございます。
本年、6月16日に本研究会を発足したことについてはすでに発表させていただき、これまで北海道の寒冷な外気や雪氷を活用したデータセンターの消費電力低減について研究活動を実施して参りました。
このたび、それら研究会活動の中間報告がまとまりましたので、ご報告申し上げます。今回の中間報告では、シミュレーションによる消費電力およびCO2削減効果の予測数値について整理することができました。この報告によって、昨今の世界的課題である地球温暖化対応し、本テーマが具体的に大きな効果が見込まれることが判明しましたので、ご周知のほどよろしくお願い申し上げます。
記
国内の全消費電力の中で、ICTの消費電力は、今後大きく膨らむことが一部で発表されております。その消費電力を低減するための方策として、データセンターによるサーバー等の集約効果が期待されることは、すでに政府研究会などで明らかになっております。さらに、さまざまな技術対応(省エネサーバー・高効率空調装置・直流電源活用等々)によって、データセンター自身の低消費電力化についても多くの報道がなされております。
そのような中で、本研究会は、データセンターの消費電力のもっとも大きな占有率(総務省調査では44%)をもつ冷房用消費電力について、寒冷地の外気と雪氷を活用することにより、大幅にCO2排出を低減することについて国内で初めて提案し、具現化のための研究を実施してまいりました。
今回のシミュレーションでは、具体的効果数値として、2000ラックのデータセンターの規模を前提に、
1. 89%以上の冷房用消費電力の削減が可能
2. 絶対量としては、(2000ラックのデータセンター)一ヶ所あたりで、年間電力消費量で約35,000MWh(約3,500万KWh)が削減可能
3. 同、CO2換算で年間約14,900tが削減可能
との予測ができましたので、ご報告させていただきます。
計算の前提は、寒冷地として北海道の札幌地区、比較対象は最もデータセンターの多い関東(東京)地区として、両地域での平均気温から外気による冷却と、それでカバーできない部分の冷房装置による冷房消費電力を算出、札幌については氷雪による効果も加味し、2つの地域での消費電力の差を計算によって算出しました。
今回の中間報告は、冷房用の消費電力について注目していますが、業界ではサーバーそのものなどのIT関連技術による消費電力の低減についての成果も出ており、今回の冷房用消費電力の低減と合わせると、活気的な「グリーンエナジーデータセンター」の構築が可能と考えられ、その効果を合わせると、さらに大きな地球温暖化対応への貢献が可能と考えられます。
国内のデータセンターは、現在大小合わせて約200ヶ所存在していると言われており、さらに今後は大幅に新規センター増築や既存センターの拡張など、全体規模が増加すると考えられ、本件のような技術を装備したデータセンターが活用されることを期待したいと考えております。
今後とも本研究会においては、地球温暖化対応に貢献するため、官公庁・関連団体・関連企業とも連携・協力し、さらに本テーマを具現化するための活動を展開していきたいと考えておりますので、皆様のご支援ご鞭撻をお願いいたしたく、よろしくお願い申し上げます。
なお、下記のシンポジュームにて本研究会の活動に関するご説明の機会がありますので、ぜひご参加いただければ幸いです。
【本テーマに関連するシンポジューム】
■東京地区(本テーマをシンポジュームの中で一部講演:無料)
日時:10月24日(金)10:00~12:00
場所:東京都港区浜松町2-2-12 JEI浜松町ビル3階 情報通信ネットワーク産業協会会議室
申し込み:(詳細は下記URLをご参照ください)
http://www.ciaj.or.jp/content/seminer/seminer.html
TEL:03-5403-9351
■札幌地区(本テーマのためのシンポジューム:無料)
日時:平成20年10月29日(水)13:30~16:30
場所:ホテル ポールスター札幌 2階「セレナード」 (札幌市中央区北4条西6丁目)
申し込み:北海道経済部産業立地推進局産業立地課 FAX 011-232-2139
(企業団体名・氏名・所属・役職・連絡先を明記の上、FAXにて申し込み)
【北海道GEDC及び本件のお問い合わせ】
北海道グリーンエナジーデータセンター事務局(担当:廣津) info@ncajapan.com
以上